ジェームス・W・ヤングの古典的名著。1. アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。
2. それを創出する技術は訓練によってほとんど誰でも習得しうる。
というのが内容のコア。
ビジネスフィールドや下手すると科学領域まででの「アイデア」に関しては確かに本書の纏めは本質的。99.9%の凡人でも訓練次第で99.9%までのアイデアは作り出せるのだろう。
ただしかし、「アイデア」という単語の守備範囲をあらゆる「ひらめき」、「クリエイティブ」というところまで拡げた場合、ヤングは非常に頭が良く示唆に富んでいるが、残念ながらおそらく99.9%の凡人でしかないと思う。そもそも真の「アイデアマン」、「ひらめきすと(勝手な造語)」、「創造者」、「芸術家」はこういうプロセスを無意識的にも踏まずして内発的に新しいものを生み出すのだろう。ヤングの言うアイデア創出プロセスはインプットありきだが、インプットがなくとも天才は自分の中から何かを生み出す。無垢な子供や赤ん坊が天才的なアウトプットを生み出すこともしばしば。それも無意識的に情報の咀嚼、組み合わせをやってのものだろうか?そんなことはないと思う。
大人になっていくにつれ「枠」に支配されるようになる。情報の収集・貯蔵・咀嚼でアイデアの元となる種の量と質を高めても、そしてその組み合わせ方は膨大だとしてもそれは有限なもの。出てくるアイデアは、機械が膨大な順列組み合わせ計算の結果として捻り出せるレベルのものなのだろう。そうではなくて、考え方の枠を設けず、既存の要素の組み合わせという「有限」の世界から脱却してこそ人間のみが創出しうる天才的アウトプットがあるのではないだろうか。
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